
最近日課となった早朝の田んぼ作業。 妻と、そして、今年一緒に米作りをする ご近所さんと取り組んでいます。 やさしい雨に打たれながら、 黙々と身体を動かします。 ビーバーで草を刈りながら、 ふと、米作りを繋いできた先人の姿に 思いを馳せます。 今年お借りする棚田にも、 ここには到底書ききれないくらいの 叡智が詰まっています。 「昔の人々も、今の私たちのように、 先人の知恵を繋ぎながら、 助け合って米作りをしていたのだろうか……。」

稲作は、弥生時代から始まったと 学校で習いました。 稲作が貧富の差を生み、 そこから上下関係ができてきたということも……。 しかし今では研究が進み、 どうやら縄文時代晩期には、 稲作が行われていたようです。 そういえば最近、 弥生時代の遺跡からは見つかるけど、 縄文時代の遺跡からは見つからないものが あることを知りました。 それは、武器です。 加えて、弥生時代の遺跡からは、 自分たちの集落を守るための堀や柵の跡も 見つかっているようです。 争いがあった弥生時代と 争いがなかった縄文時代。 争いがあった弥生時代の米作りと 争いがなかった縄文時代の米作り……。 日本には「結(ゆい)」という言葉があります。 米作りのとき、 集落やご近所さん同士で助け合うことを 意味する言葉でもあるようです。 自分はどう在りたいのか、自問してみます。 すると、答えはすぐに返ってきます。 縄文時代のような争いのない世の中で暮らしたい。 一人一人が、それぞれの持ち味を発揮しながら、 笑顔で生きる「結」を創りたい……。 我が家には、3柱の「田の神さぁ」がいらっしゃいます。 「田の神さぁ」(たのかんさぁ=田の神様)とは、 今でも南九州地方に遺る、 稲作の豊作を祈願して作られた石像です。 今年も微笑みをたたえ、米作りを見守ってくださっています。

田の神さぁの見つめていらっしゃるその先には、 先人も願った豊作による家族や子孫の笑顔と、 みんなが助け合って暮らす平和な未来が 映っているのではないでしょうか。 その祈りをカタチにできるよう、 今日も田んぼに向かいます。 一緒にお米を作るご近所さんが営む茶屋 おひさまのおと